きっかけは本業だった
自分は小さな製造業系の会社を経営している。所謂零細企業だが、日々見積もりや注文管理、顧客対応と、地味だけど手間のかかる作業がたくさんある。
2024年の終わり頃、業務改善のためにLLM(大規模言語モデル)を触り始めた。最初はメールの下書きとか、ちょっとした調べものに使っていた程度だった。
転機になったのは、社内で使う注文管理システムをLLMと一緒に作り始めたこと。自分はプログラマーではない。でも「こういう画面が欲しい」「こういう動きにしたい」と伝えると、LLMがコードを書いてくれる。それを動かして、直して、また動かす。この繰り返しが、思った以上に楽しかった。
手相占いから始まった寄り道
ある日、まったく仕事と関係ないことをLLMに聞いてみた。手相占い。自分の手のひらの写真を撮って「これ、どう読める?」と。
返ってきた答えが妙に面白かった。生命線がどうとか、知能線がこうとか。当たってるかは正直わからない。でも「占い × AI」の組み合わせに可能性を感じた。
それがきっかけで手相だけじゃなく、九星気学や数秘術も組み合わせたら面白いんじゃないか?毎日違う結果が出る占いアプリを作れるんじゃないか?と考え付いた。
LLMとの雑談がきっかけで、占いアプリのアイデアが生まれた。業務改善ツールを作っていたときと同じ「アイデアを形にする楽しさ」が、そこにもあった。
「今日のお告げ」を作った
占いアプリを作ると決めてからは早かった。本業で注文管理システムを作った経験があったから、LLMとの共同作業の進め方はわかっていた。
九星気学と数秘術をベースに、500パターンの占いテンプレートを用意した。生年月日と日付の組み合わせから、毎日異なる結果が表示される仕組み。サーバー代をかけたくなかったから、すべてフロントエンドで完結させた。
結果にはラッキーアイテムやラッキーカラーも付けた。「今日のラッキーアイテムは木製のもの」と出たら、関連する商品へのリンクも表示される。ちょっとした楽しさと実用性の間を狙った。
1個作ると、もっと作りたくなる
占いアプリが形になると、不思議なもので次のアイデアが浮かんでくる。
「今日の献立」をランダムに提案するアプリ。毎日ひとつ韓国語フレーズを表示するアプリ。飲み会で使えるアイスブレイクのネタ出しアプリ。30秒で遊べる脳トレ。3行だけ書く日記。
どれも共通しているのは「毎日30秒で使える」こと。大がかりなアプリではなく、開いて、ちょっと使って、閉じる。それくらいの軽さがちょうどいいと思った。
こうして「日々アプリ」が生まれた。小さなアプリを集めたサイト。技術的にはReactとCloudflare Pagesで、ホスティング費用はゼロ。ドメイン代だけで全部動いている。
プログラマーじゃなくても作れる時代
自分はコードを書ける人間ではない。変数とか関数とか、基本的な概念はLLMと作業する中で覚えたけれど、ゼロから自分で書けと言われたら無理だと思う。
でも「こういうものが欲しい」というイメージがあれば、LLMが形にしてくれる。うまくいかなければ「ここが違う」と伝えればいい。この往復が、思ったよりずっとクリエイティブな作業だった。
製造業の経営者が、仕事の合間に7つのWebアプリを作る。数年前なら考えられなかったことが、今は普通にできる。技術の民主化という言葉があるけど、自分はまさにその恩恵を受けている一人だと思う。
これからのこと
日々アプリはまだ始まったばかりで、使ってくれている人もまだ少ない。でも、自分が「毎日ちょっと使いたい」と思えるものを作っているから、それでいいと思っている。
次は「今日のどっち」という二択投票アプリを作りたい。「きのこの山 vs たけのこの里」みたいなお題に答えると、みんなの回答割合が見える。そういうちょっとした遊び。
作ることが楽しいから続けられる。それが一番大事なことだと、このプロジェクトを通じて気づいた。
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